ピステの上で待っている
段々と俺の順番が迫ってくる
いよいよ俺の番だ
俺はゆっくりとプラットフォームを滑り出す
ここのパイプは約14度で比較的メローな技が出せるパイプだ
プラットフォームでスピードに乗せる
リップから一気にドロップインをする
約70度の鋭角なドロップインだ
1ヒット目のターンが一番空に近く感じる
その為の鋭角なドロップインだ
少し強引ではあるがダラダラとしたルーティンになるよりも
1ターン1ターンの高さを出しつつ
メローでしかもスタイリッシュにしようとすると
1ルーティンで5ヒットから6ヒットで限界だ
パイプの長さは120メートル
ボトムからリップまでは3.5メートル
1ヒット目は3ヘッドのビッグエアーだ
ドロップインしてヴァーティカルを滑り降り
ボトムをカーヴィングですべりトランディションで圧を感じ
ヴァーティカルはひたすらウォールから来る圧に耐える
リップから抜ける瞬間
ウォールからの圧が抜けた瞬間だ
この瞬間が最高に気持ちが良い
空に向かって一気に飛び出し
頂点に達したらリップに戻る為にターンする
この時点で3ヘッドだからリップから5メートル
ボトムからだと9メートルもある
正直言って怖くない訳が無い
高さの快感と恐怖これが快感になってくる
もっと高く! もっと長く!
そう思ってリップを飛び出す
リップに綺麗に戻る為にはリップを抜ける時
スキー板のテールを使って蹴らないといけない
そうじゃないとプラットフォームに落ちてしまうからだ
リップに戻ったら逆側のリップに向かってカーヴィングで滑り
ヴァーティカルをカーヴィングで登り
今度は滑っている方向とは逆向きのターン、アーリーウープだ
レギュラーのターンと違って飛び出しの角度はリップに向かって
ほぼ垂直に飛び出す、そしてスタート方向に向かってターンをする
決まると物凄く気持ちが良い
やはりハーフパイプはスキーの方が気持ち良い
スノーボードの方が回しやすい
スキーは自力で回さないといけないからだ
勢いや、惰性でハイルーティンが出来ないし
パイプとの設置面積がスキーの方が少ない
つまりそれだけスピードが乗ると言う事だ
スピードに乗るのも
ターンをするのも
総てを自分でやらなければいけない
それがまた良い
スノーボードとは違う競技だ
スキーでハーフパイプを滑る
一般的ではないがハーフパイプはスキーで滑る方が気持ちが良い
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