沖縄で琉球グラスを買った
今回の旅行で別れようって言う約束をしたのに
どうしても貴女との思い出が欲しくって
僕は貴女に『どのグラスがいいと思う』って聞いたよね
貴女は『これなんかどうかな?・・・でも、もうしんちゃんの家には行かないんだよ』
困ったように僕に言った
僕は『解ってるよ、でも、もし、家で使うとしたらどれが良いか選んで?』
少し貴女に甘えてみた
貴女は困ったように『これが良いんじゃない?』
選んだのは短くて、涼しげなグラスだ
僕もそのグラスが気に入った
『これは貴女と使うんだ・・・・』
貴女は『もうしんちゃんの家には行かないんだから辛くなるだけだよ』
少し淋しそうに、それでいてはっきりと僕の方を向いてキチット言った
僕は心の中で『解っているよ、貴女がもう僕の所には戻って来ないって決めている事は』
そう呟いた、でもやっぱりまだまだ僕は貴女の事を忘れられないようだ
貴女は何かにつけて涙を流している
でもそれは、僕への思いじゃなくて、楽しかった僕達の時間への涙なんだよね
もう僕の事は貴女の中じゃ思い出なんだよね
僕はこのグラスを使うときをずっと待っている
きっと使う事はないんだと思うけど・・・・・
LEAVE A REPLY